17歳─恋のはじまり─

「瑛司!ごめん、お待たせ…って、あれ?佐々木くん?」



千紗が駆け寄ると

スッと佐々木がどこかへ
行ってしまって。

首を傾げた。


「瑛司…、佐々木くんと仲良かったっけ?」

「ん?まぁ…千紗繋がり?」

「?」


瑛司が歩き出すと
後ろを千紗が慌てて着いていく。


「………」


『早く病院に行け」


あの言葉の意味は、

────きっといい意味じゃない。


そんなことは、

昨日知った。


早く病院に行かないといけないのも。

だけど…、


俺にはまだやり残したことがある。

この文化祭で、
きちんと言いたい。