17歳─恋のはじまり─

聞きたいけど、
聞きたくない……

怖い。


そんな気持ちになって
瑛司が下を向いた。


「……早く病院に行け」

「………」



佐々木のその言葉が
何を意味してるのか…

考え込まなくても
すぐにわかる。


「じゃないと、アイツが泣く」

「………」


千紗が、泣く。

は…っ、もう手遅れだろ。


「……俺、遠慮はしない」

「………」

「…最初からしてねーだろ」


佐々木のそっけない言葉に
瑛司がふっと笑った。

やっぱり、コイツ
千紗のこと好きなんじゃねーか。