17歳─恋のはじまり─

文化祭当日。



「千紗、行こうぜ!」

「あ、うん」


瑛司が13時に
千紗のクラスへ顔を出した。

あたふたと慌てて
準備する千紗に、

ふっと笑みを零してると
佐々木が瑛司の隣を通過。


「!」


咄嗟に瑛司が佐々木の
腕を掴んだ。

驚いて目を見開く佐々木に
瑛司が真っ直ぐと視線を向ける。



「…あのこと、千紗には言うな」

「あのこと…?いきなり何…」

「………」

「…膝、か…?」

「………」



真っ直ぐ目を向けたまま
黙り込む瑛司に、

佐々木が何かを察して。


腕を掴む瑛司の手を振り解いた。



「…病院、行ったのか?」

「まだ、行ってない。だけど…だいたい分かってる」

「………」

「お前、分かってたんだろ」

「…親戚に、同じような奴が居たから」



佐々木の言葉に、
瑛司が目を見開く。

その人は……、

どうなった……?