17歳─恋のはじまり─

ガラッ…


「あー、瑛司やっと見つけた」

「!」


突然の声に
瑛司の肩がビクッと震えた。

咄嗟に本とパソコンを
閉じて千紗に視線を向ける。


「千紗……」

「どこ探しても居ないと思ったら図書室で何してんのよ」

「はは、ごめん。ちょっとサボリ」


…言えない。


「ズルッ!」

「で、俺に何か用?」


…千紗には、言えない。


「あ、えっと…文化祭、一緒に回れるって話を…」


落ち着け。
隠せ。

震える手を
必死に机で隠した。

必死に作り笑顔を振りまいた。


──千紗には、言いたくない。

俺が、



病気だっていうことを…