「びっくりした…」

「千紗が俺の心配をねー…ふーん♪」

「な、何…」

「や、素直に嬉しい」



そう言いながら
瑛司が笑うから、

あたしの顔は
カッと熱くなった。


「も、もう!早く行くよ」

「んだよ、遅れてきたの千紗だろー。つか、俺怪我人」



瑛司……

ごめん。


あたしがこの時、

もっと気にしていれば
素直になっていれば


瑛司もあたしも
泣くことにはならなかったんだ…