17歳─恋のはじまり─

周りの女子の会話に
千紗がポカンと口を開けて、

固まった。


「あらあら、佐々木人気出てきたんじゃない?」

「立夏……」

「……そろそろ、あたしにも言ってくれてもいいんじゃないの?」

「え?」

「恋、してるんでしょ?」



そうだ、あたしは
まだ立夏にきちんと話せてない。

あたしはグッと
体操着を握りしめて、

立夏を見た。



「あたし、ね…佐々木くんが好き…なの。立夏は瑛司の気持ち知ってて、応援してくれてたみたいだけど…ごめん…」

「何で謝るの」

「?」

「恋をして、謝る必要なんてない。最近の千紗と佐々木見てると、恋って凄いなーって」


日に日にあの佐々木が
変わってく姿を見て、

友達になるんだって
宣言した千紗が

本当に凄いと思った。


千紗の真っ直ぐな想いが
佐々木を変えたんだって。