17歳─恋のはじまり─

「あー、千紗居ないと思ってたらどこ行ってたの!」

「ごめん、ちょっと瑛司のとこに」

「瑛司くん?…そう言えば、今日体育に出てないよね」

「うん、なんか膝痛めてるんだって」



サッカーしたかっただろうな…

そう思いながら、
千紗が木陰に座り込んでる

瑛司を見た。


「……?」


膝を抱えてる瑛司に、
あたしはなぜか一瞬

心のどこかが
引っかかったような感覚になって。


────瑛司…?


「キャー、見てみて!」

ビクッ


女子の黄色い声に
千紗の肩が震える。


「佐々木くんて、サッカー上手いんだねー」

「てか、最近佐々木くん変わったよね!近寄りがたい雰囲気出してたけど、最近挨拶したら返してくれるんだよ」

「あ、あたしも!この前、佐々木くんが笑ってるの見た!」