17歳─恋のはじまり─

『都築の大切な奴だから』


瑛司がくしゃっと
髪をかきあげた。

そんなこと…
俺が、1番分かってんだよ…


千紗は俺のことを
大切に想ってくれてることくらい。


だけど、

それは───、幼なじみとしてだろ。


「クッソー…絶対、佐々木の奴…」



あの佐々木が
あんなこと言うなんて…

俺の心配するなんて…


「いってー…」

ズキズキと痛む膝を
抱えて、

瑛司が顔を埋めた。


何よりも痛いのは、

─────心だ。