『…辛かったな』


どうしてあんなことを言ったのか、
どうしてあんな表情をしたのか、

───どうして、


いつも1人なのか。


頭の中で浮かぶのは
屋上での佐々木くんのことばかりで。


あたしはこの時、
初めて男の人に興味を持った。


今まで付き合ってきた
男たちとは、

何かが違う佐々木くんに─…


だけど、

これはただの好奇心であって
あんなことになる予定なんて

全くなかったんだ…


───佐々木翔太、

この人があたしの心を



大きく変えることになるなんて
微塵も思っていなかった。