千紗がぎゅっと
佐々木の腕にしがみつく。

突然のことに
佐々木の目が見開いた。


「は、ちょ、何…」

「~っ、あたしは!あたしは裏切ったりしないからね!」

「………」

「あたしは…っ!」

「…な…んで、またお前が泣くんだよ」



気がついたら
あたしの目からは

涙が溢れていた。


佐々木くんがどれだけ
辛くて悲しい想いをしたのか、

あたしがどれだけ考えても
分からないけど……


だけど、

今あたしは

佐々木くんの傍に
居てあげることは出来る。