17歳─恋のはじまり─

「え、どこ行くの!?」

「………」


佐々木くんが歩き出した方向は、
出店からどんどんと離れてく。

無言のまま歩き出す
佐々木くんに、

あたしは佐々木くんの
服を掴んだ。



「佐々木くん!」

「……俺、何で来たんだ」

「え?」

「…忘れてた。あれだけ記憶に刻まれてたはずなのに…」



明らか様子が変な佐々木に
千紗が前へ回り込む。

そして、

佐々木の顔を覗き込んだ。


「!」


そこには、

何かに耐えるように
唇を噛み締める佐々木が居て。


千紗の目が見開く…