17歳─恋のはじまり─

「わぁ、人いっぱい」

「そりゃ祭りだからなー」


千紗がチラッと
佐々木を横目で見た。

佐々木くん、落ち着いてんな…


あたしはさっきから
ドキドキしてるのに。

それだけ気持ちに
差があるってことか…



「ねぇ、佐々木くんはこうやって誰かと祭りに来たことあるの?」

「……」


気を紛らわせるために
ふと投げつけた質問。

その質問に
佐々木くんはピタッと足を止めた。


「……佐々木くん?人の邪魔になるよ?」


道の真ん中で
立ち止まる佐々木くんに、

あたしは慌てて
声をかける。


すると、

佐々木くんは足を動かして
歩き出した。