17歳─恋のはじまり─

ブーブーブー…


スマホが震える音に
千紗がゆっくりと瞼を開けた。


ん…?あれ、あたし
寝てた…?

部屋の中はもう薄暗くて
すぐに夕方頃だと察した。


ブーブーブー…


「あ、携帯…」


千紗がスマホを手に
ボーッとしたまま電話に出た。



「…んはい…」

『何だその声』

「……んー、誰?」

『何言ってんの、お前。俺だけど』

「…俺ー?」

『佐々木』



佐々木……?

……。


「え、佐々木くん!?」