17歳─恋のはじまり─

パタン…


瑛司が部屋に入るなり
鞄を床に下ろして。

ボーッと床を見つめた。


「………」


───本当は、


千紗の反応で、
すぐに分かったんだ。

きっと夏祭りは
一緒に行けない…


あの焦り方からして
アイツと約束でもしてんのかな…


「っ」


気持ちが焦る。

どうしたら…
どうしたらいい…?


瑛司がドカッと
ベッドに座り込んだ瞬間、

「?」


右膝に違和感を感じて。

制服のズボンをまくり上げた。


「…?」


ヒタヒタと自分の膝を触る。

だけど見た目は
何ら変わりない…


「気のせいか…」


違和感もすぐに消えて、
俺はこの時気にも止めなかった。