ほどなくして、私と琉聖は理事長室らしき所に着いた。
校舎の中にある理事長室は、周りのどの教室よりはるかに綺麗なドアをしていた。
流石、理事長。

「ここが理事長の部屋だ」
「あっありがとう!」
「あぁ」

琉聖と理事長室の前で別れ、私1人理事長室前で気合いを入れる。

「えっーっと…中にいるのかな?いなかったらどーしよ…大丈夫かな??」
流石に不安。

「何やってるの?梓ちゃーん?」
「ひっぐっう!★♡#*∪%×つ!!!」
「アハハっ言葉になってないよ?」
「あのっ…あっ……」
「アハハっ初めまして。青葉東高校理事長の長谷川 和彦です♪」
「理事長っ?!!!あっはははは初めまして!!!!」
いきなり、後ろから声をかけられ言葉にならぬ声を出してしまった……。
声をかけてきたのは、オールバックの理事長。これまた理事長までイケメンで、ダンディー。

「梓ちゃーん。ようこそ青葉東高校へ。」
「あっ、こちらこそお招きありがとうございます…」
「アハハっ流石。亮一の娘さんだね♪」
亮一(りょういち)とは、私のお父さんの名前。実は2人は幼なじみらしい。

「梓ちゃーんクラスとかわかってる?」
「あっ、わかります!」
「そっかそっか~なら、もうクラス入っても大丈夫だょ♪」
「ちなみに、クラスの場所はここの右隣りだよ~」
えっ?隣り?
そういえばと、思い出すと琉聖は隣の部屋に消えて行った……
まじかよ…

「あ、女子は1人だけいるんだけど..大丈夫??」
1人か……いや、いないよりはましかっ!
流石に不良の中に、女子1人だけは辛い…

「大丈夫です。」
「そかそか♪じゃあ頑張って~」
「はいっ!」