青葉東高校。県内で一番の不良校である。
そこに転校する事になった私。
美乃 梓です。お父さんの転勤で引っ越す事になり、只今絶望を味わっております…

「おと、、お父さん。ここ」
「今年から共学になったんだって~お父さんの知り合いの学校だから、安心してね~」
「安心も、くそもあるかぁぁあっ!」
車の中で叫ぶ私。
へらへら笑うお父さん。

「女子絶対いないじゃんっ!」
「え~?いるって言ってたよ~?」
想像してみろ、不良校の女子って言ったら…
金髪、肌が黒い、目の縁も黒い、ケバい。
性格はくそ…。
私なんて、それとは全く正反対のストレートの黒髪。

「やだぁー(´;ω;`)」
「そんな事言うなよ~あ、全寮制だから」
い・ま・な・ん・と?
全寮制?

「ええええぇぇぇぇえええっ!」
「うるさいなぁー」
「家に帰れないのっ?!」
「そーゆー事になるねぇ~」
マジ有り得ない。家に帰れないとか……
ぐだぐだと絶望と怒りに戦っているうちに青葉東高校の校門についてしまう。

「じゃー頑張って~お父さん応援してるから♪」
「うわぁぁぁああっん(涙」
『じゃーねぇー♪』と笑いながら去っていく薄情な父親。
ガクガクいいながら、後ろにある校舎をみる。
強面も生徒が……いない?
あたしのイメージでは、どこもかしこも不良があふれいてるのかと思っていたが…
校舎は、人の気配すらない。
あ、そぉーかっ!不良だから学校こないのね!不良だもの!!!
さぁーてっ私も寮に向かおうっ!

「…え?…ここどこ。」
はぁーい。道に迷ったぁー♪
ここどぉこっ‥‥(涙
方向音痴にこの学校の敷地は、広すぎる。
確か、寮に見える所に向かって歩いたハズなのになぁ~…‥

「帰りたい。」
いや、超ー帰りたい。
え?何であたしここにいるの?帰ってもよくね?
私から見えるもの………ただの倉庫。
私の状況………ボロボロ。

「どこなんだ、ここわぁぁぁぁぁぁぁ!」
「…っ?!」
ドサッ
私が叫んだ瞬間、何かの声と草木が折れる音がした。
もすごーく、怖いです。
まさか…熊?
イヤイヤイヤイヤっっ!
まだ、死にたくない!!!!

ガサッ
「いやぁーーーー!私食べても美味しくないっ!!!」
「何言ってんの?お前…」
しゃがんでるあたしの上から降ってきた声は、人間の声。

「え?」
「お前の所為でハンモックから落ちたじねぇーか…」
私の前に立つ人間は、栗色の髪をした男
多分ここの生徒だろう。制服らしき格好をしている。

「…ぃおいっ!」
「ふぇっ?!!」
「聞いてんのか?」
「きききっ聞いてますとも!」
聞いてないと言ったら、視線で射殺しれそうだ。
それほど、その男の目は鋭いだけどどこか優しい目もしている。

「お前?女だよな?」
失礼な奴だ。

「女ですよ。」
「そうか…何でここにいるんだ?」
「ぅえっと…道に迷って……」
「なるほどな」
うん。迷ったんですよ。
助けてくださいよ。もう、心も体もボロボロなんですよ。
男はふと立ち上がって、自分の体についた葉っぱを払う。

「どっから入ったかしらねぇけど…
おら、立て。外まで送ってやる。」
今私、この人が神に見えたっ!ぶっきらぼうな神だっ!ここは、お言葉に甘えよう♪

「あ、ありがとうございます……」
「ん。」
どんどん森?林?を抜けて行くと、校舎の裏側に出た。
へぇー…こんな所に出るのね。
もう、寮に行くのは止めよう。とりあえず
職員室に向かおうでわないか。

「あ、あのっ職員室に行きたいんだけど」
「あ?職員室?」
「そっそう…職員室…」
「そんなのねぇけど」
…………………………………………。
はい?
えーっと…はい?
職員室がない?
ショクインシツガナイ?

「なななななななっ!!!何で?!」
「や、何でって言われてもな」
え、だって仮にも学校でしょ???
あたしの開いた口は塞がらない。

「つか、お前なんでここにいんの?」
「あああのっ…ここに転校してきたから、職員室を探してて……」
「転校?!ここにか?間違いじゃ……」
私も何かの間違いじゃないかって思いましたよ。思ったさっ!でも……
蘇る父の言葉…
『男の子しかいないけど頑張って★ミ
梓だったら変態だって倒せるから♪』
あの時、マジでコイツ殺そうって思ったわ。

「やー……間違いじゃなくて…」
「マジか……わかった。理事長室に送る」
「(あ、理事長室はあるんだ)…」
「どーした?」
「なっななんでもありません!」
「そうか、こっちだちゃんとついて来いよ?」
「おおおおおおおっけい!」
「…ぷっ…」
なぜか、笑われた。
イケメンは笑うと最強だ……

「あの……ここの学校の生徒ですか?」
「ん?…そうだ」
「ちなみに、何年何組ですか?」
「2年生で1組だ」
同じ歳で同じ組だったぁーっっ!
うわぁー…何か……恥ずかしい。

「あっあの…あたしも、2年1組なんだっ…」
「っ?!…そーなのか」
目を見開いてこっちを見る不良さん。
そんな、驚かれてもねぇー……
そもそも、男子しかいないよーな学校に来てること事態おかしいしのに。

「お前…名前は?」
「あ、えっとー美乃 梓です。」
「梓か……よろしくな」
「あっっとよっよろしく!」
ついつい、顔をそらしてしまう事を許しておくれ……
イケメン過ぎて直視できないんだよぉぉおおおっ!!!
栗色のストレートの髪で、不良なのにどこか落ち着いた雰囲気。
それに、切れ長で目が離せなくなるよーな瞳…
完璧なイケメンを直視なんてしてらあたし、おかしくなる…

「あ、あなたのなまえは??」
「俺は加賀野 琉聖だ」
「りゅうせい…」
「あぁ…流れるに聖域の聖で琉聖な」
「琉聖ねわかった!よろしく!」
「あぁ…」
「っ?!…」
琉聖が『よろしくな』っいったとき微笑んだ。それに、思わずキュンっとなってしまう。
今っ私キュンってなったぞっ!!!
本当に、イケメンって困るっ!

「ほら、ボケッとしてんなよ…」
「あっごごめんっ!!」
やっと、まともな道にでて、2人で歩く。