バンっ 王子は私が予想してたよりも、かなり勢いよく扉を開けた。 そのせいで、扉の外からでも聞こえてきた賑やかな声や音楽がピタリと止まった。 そして大勢の人達が一斉に私達2人に目を向ける。 『王子が見知らぬ女と手を繋いでいる』 喜ぶ者。驚く者。悲しみ嘆く者。 多々居た。 私は今までこんなにもたくさんの注目を浴びることが無かったから、それら全てが怖く感じた。 つい、王子と繋いでいる手に力がこもった。 すると、周りに聞こえない程度の声で 「大丈夫。」 そう囁いてくれた。