俺様なアイツのしつけ方。

「蓮っ!!次あれがいい!!」


遠くで琴羽が叫んでいる。
指差しているのは、ジェットコースター。


「…まぢかよ」


はぁ…と蓮は長いため息。

琴羽が指差しているジェットコースターとは別のを、さっき乗ったばかりなのだ。


「どこにあんな元気残ってんだよ」


そう呟くと、待っている琴羽を無視して近くのベンチに腰かける。


「!!」


それに気付いた琴羽が怒って何か叫んでいるが、あえてのスルー。

誰かを待たせていても、自分が疲れていたら休む…それが蓮のやり方だ。

ベンチの背もたれに肘をつき、頬杖をついて目を閉じる。

楽しそうな音楽と、人々の叫び声や笑い声が聞こえてくる。

…と。


「れん〜…」


何もしていない方の手を、琴羽に引っ張られた。

無視していると、次第に引っ張る力が強くなり体が揺れる。



「……」


ガキかお前は。と胸中でツッコんで面倒くさそうに目を開ける。

そして衝撃な光景を目撃した。