休み時間。

ルンルン気分の琴羽を比奈と優が廊下に連れ出した。


「なぁに??」

「なぁに??…ぢゃないわよ。あんた小宮くんと付き合ってんの!?」

「付き合ってないけど…」


いきなり何を言い出すんだとでも言いたげな表情で、2人を見ていると、比奈が急に琴羽の両頬をつまんできた。


「あにふんを(なにすんの)!?」

「琴ちゃんの馬鹿ぁっ!!」


比奈の目には涙が溜まっていた。


「比奈だって、小宮くんのこと好きだったのにぃ」

「…!?」


ちょっと待った…とストップをかけようとしたが、両頬をつままれたままなので、唸っただけになってしまった。


「小宮くんのこと好きなの?」

「えういをうわうわ(別にそんなんぢゃ)…」

「比奈、とりあえず話してあげようか…」


琴羽の言っていることがさっぱり分からなかったからか、優が止めに入った。


「あ、ごめん」


比奈もやっと我に返り、ぱっと手を離した。

解放された琴羽は、両頬を抑える。

熱をもっていて、痛い。


「痛かった?…ごめんね」


そっと比奈が触れてきた。
琴羽は苦笑する。


「平気。私こそごめんね、比奈が蓮のこと好きなの忘れてた」

「いいの。琴ちゃんと小宮くんお似合いだから」


ぴく…っと、琴羽が反応して固まった。


「…は?」