そして試験が始まった。

ついに試験最終日。


「わわわ…どぉしよ」

「大丈夫だって。この俺様が教えてやったんだ、絶対成績は上がってる。それにこれで終わりだろ」


緊張している琴羽の肩を笑って叩く蓮。

琴羽は黙って頷いた。






「はい、そこまで」


先生の言葉が静かな教室に響く。


「後ろから紙回してこいよ〜」


一気に騒がしくなる教室。

琴羽は前の席に紙を渡すと、机に突っ伏した。


「終わったぁ」

「じゃ、各自支度した者から帰ってよし。ぢゃあな」

先生がそう言い残し、教室を出ていく。

3日間の試験が終了した。

あとは結果を待つのみ。



「さて、帰ろ」


支度をして教室を出ると、廊下の壁に寄りかかって蓮が待っていた。


「どぉだった?」

「さぁね。結果次第だもん」

琴羽が近づいていくと、蓮が手を上げた。

琴羽も手を上げる。


「お疲れ」


―――パァンッ…


蓮の声と同時に、手のひらが重なる乾いた音が響いた。

2人は顔を見合わして笑った。