ふと蓮は、窓から漏れる明かりを見つめた。

きっとあそこはリビングだろう。


「なんか、緊張した」


蓮が呟く。


「俺が持ってないものが多すぎてどぉしたらいいか分からなかった…」

「笑ってればいいんだよ」


琴羽の言葉に蓮が瞬きした。


「うちに来た時は笑ってて?みんな楽しくなるから」


ね…♪、と笑う琴羽を見て、蓮が照れ臭そうに頷く。

「うん…。ありがとな」






蓮を見送って、家に入るとさっそく水結がくっついてきた。


「蓮くん帰った?」

「うん」


腕に引っ付いて離れようとしない水結に頷く。


「また来る!?」

「多分ねぇ」


リビングへ入って、鞄と携帯を持って部屋に向かう。


「水結さぁ、蓮くんカッコイイと思う」

「はぁ!?どこがカッコイイのよ」

「えぇ!!琴羽ちゃん、一緒にいて気づかないの!?」

「全く。アイツをカッコイイっていう人の気が知れん」


呆然と立ち尽くす水結を置いて、琴羽は部屋へと入った。