「オハヨー」

目がさめた時も
シッカリと手をにぎり合っていた。

「オハヨーって言ってももう昼過ぎてる」

アタシは
時計を見ながら言った。

「青夜
今日の予定は??」


「俺、夕方から仕事しに行かなアカンねん」

仕事と言っても
会社に働きに行くわけではない。

正直なところ
青夜が何をして収入を
得ているか
くわしくは知らない。

だいたいの予想はついていたが
深くはふれないようにしていた。


青夜は
ガバッと起き上がり
髪の毛を整えている。

「もう行っちゃうの?」

アタシは
甘え声できいた。

「そろそろ
行かなアカンなぁ」

昔のアタシなら

"行かないでよ"
"今日は休んでよ"

とワガママを言っていたはずだ。

でも今は

「そっか。
寂しいけど仕方ないね」

そう素直に言える。