「アナタは強い子ですね」

一度もクチを開かなかった
青夜のお兄さんが
アタシに向かってつぶやいた。

「本当は
小さくて弱い人間だったんです。
アタシが強くなれたのは青夜のおかげなんです」

フッと
青夜のお兄さんを見ると
メガネの奥にある目には涙が浮かんでいた。

それを見てアタシは
青夜のお兄さんも
後悔していることが
わかった。


「青夜の話をくわしく聞きたいなら
あの子たちに聞いてみてください」

アタシは
リュウ君やキミ君たちを指さした。

みんなはニコニコしながら

「アイツのことなら
何でも知ってますよ」

と頼もしい返事をしてくれた。


「ありがとう」

そう言いながら
頭を深く下げる
青夜の家族。