blue moon

｢あの
お母さんは関西の方ではないですよね？｣

青夜のお母さんは
鼻をすすりながらも

｢私は関東出身よ｣

とこたえてくれた。


青夜のお母さんには
関西なまりがなかった。


青夜に初めて声をかけられた時。

横浜出身と聞き
食いついてきたのは
標準語がめずらしいからだと思っていた。


もしかしたら青夜は
お母さんとアタシの
話しかたを重ねていたのかもしれない。

そう考えたしゅんかん
心の中で

―マザコン―

と青夜を冷やかした。


アタシは
青夜がよくしてくれていたように
青夜のお母さんの肩に
ソッと手をおいた。

｢クチでは色々言っていましたけど
青夜は家族のこと
絶対に好きなはずです｣

と伝えた。

青夜のお母さんと
青夜のお父さんは

言葉にはしないが
うれしそうな表情をしていた。