青い空。白い雲。今日は海水浴だ、ではなく、朝とは打って変わっての蒼天なのだ。

 その空の下で、私、リョウ、ミズキはどこへ行こうかと土手に寝転がりながら相談していた。それは高校一年生を終え、二年生が始める始業式の帰りのことだった。三人は幼馴染で、しばらく同じクラスになれていなかった。だが、今年は久しぶりに一緒のクラスになった。

「じゃあ、何しようか」

 私の横顔をリョウは眺める。私はその視線を感じ、早く決めようと決起した。

「カラオケに行こう。ほら、諸君、立つのだ」

「はいはい、やれやれ、と」

 いつも私は先導をする。その後ろを、自転車をまたいでリョウとミズキはついてきた。

 いつもと変わらない生活。毎日。人生。友人。自分。それはナイルの賜物のようで、流れていく時間と同じように当たり前のようだと思っていた。こんな毎日が当然だと思っていた。

 私という存在は誰か。それは自分でさえ分かっている。

 しかしその当然だと思っていること、無変化のリズムを崩すきっかけがやってきていたのを、私たち三人は知らなかった。

 ひっそりと忍び寄る怪しげな影に、もう私の影とシンクロしているなんて知るはずもなかった。


 私はご機嫌だった。ご機嫌だった日は続いた。毎日が楽しかったのだ。今まで私だけが違うクラスになっていて、また新しく友達を作って、愛想を振りまいて、それを繰り返す日々が大変だった。今はこうしてまた三人と一緒になれているわけで、楽しい日々だ。一日中一緒にいられる。気を使わなくていい。幼馴染の特権である。

 こんな日々がいつまでも続けばいいと思っていた。

 それに、気が合う同性友達も見つけた。転校してきたり、近くの席だったこともあり、趣味も同じようなものだったこともあり、すっかり意気投合した。今までの人生で、一番楽しい。まるで人生のピークが今、迎えられているようであった。神様によく思われているのかなあ。