そして試合が始まった。
何か嫌な予感が冷汗となって背筋を走ったが、何が起こるのか分からなかったので、防ぎようがない。
一球、二球、三球。一番は軟式のボールにたじろいでいた。球威に圧倒されたのか、女が投げていることに動揺しているのか、もしくは女がこんな球を投げるのに腰が抜けているのか。しかしどれも違うような気がする。バッターの目線はボールがミットに納まってもボールを追っていなかった。アズサを見ていた。
次のバッターも同じ、三球三振。そしてアズサを見たまま動かない。表情はにやついている。
これらのことから、俺はある一つの仮説を唱えることができた。そしてその仮説が今からする予想と相似していれば、仮説は証明されたことになる。
さてさてどうかなと見ていると、やはり予想は的中した。三番バッターは三球三振。そして目線はアズサだ。
やれやれとマウンドを降りるアズサの背中をたたいた。
「ナイスピッチ」
「どうもです」
アズサは健やかに笑った。何の被害も受けていないような顔であった。
「それよりもさ、お前、胸見られてんぞ」
俺の仮説とはこのことであった。アズサの胸が体をひねることによって激しく揺れる。これが相手のチームの選手らが見とれてしまったのだ。それならオーバースローにすればいいという人もいるだろうが、それは無理だ。アズサはすでに体全体で投げる癖がついてしまった。それが女投げである。昔から投げる訓練さえしていれば、女性もこうはならないというのだが、投げる訓練をしていても四年のブランクは大きい。四年というのは、三年間確かに中学野球をしていたのだが、していなかったのに等しい。試合は出ず、練習もまともにやらせてもらえない。そういう中で、自然とこうなってしまった。
何か嫌な予感が冷汗となって背筋を走ったが、何が起こるのか分からなかったので、防ぎようがない。
一球、二球、三球。一番は軟式のボールにたじろいでいた。球威に圧倒されたのか、女が投げていることに動揺しているのか、もしくは女がこんな球を投げるのに腰が抜けているのか。しかしどれも違うような気がする。バッターの目線はボールがミットに納まってもボールを追っていなかった。アズサを見ていた。
次のバッターも同じ、三球三振。そしてアズサを見たまま動かない。表情はにやついている。
これらのことから、俺はある一つの仮説を唱えることができた。そしてその仮説が今からする予想と相似していれば、仮説は証明されたことになる。
さてさてどうかなと見ていると、やはり予想は的中した。三番バッターは三球三振。そして目線はアズサだ。
やれやれとマウンドを降りるアズサの背中をたたいた。
「ナイスピッチ」
「どうもです」
アズサは健やかに笑った。何の被害も受けていないような顔であった。
「それよりもさ、お前、胸見られてんぞ」
俺の仮説とはこのことであった。アズサの胸が体をひねることによって激しく揺れる。これが相手のチームの選手らが見とれてしまったのだ。それならオーバースローにすればいいという人もいるだろうが、それは無理だ。アズサはすでに体全体で投げる癖がついてしまった。それが女投げである。昔から投げる訓練さえしていれば、女性もこうはならないというのだが、投げる訓練をしていても四年のブランクは大きい。四年というのは、三年間確かに中学野球をしていたのだが、していなかったのに等しい。試合は出ず、練習もまともにやらせてもらえない。そういう中で、自然とこうなってしまった。



