シーソーゲーム

「あ、そうだ。そろそろ球技大会じゃありませんか。リョウ、今年はどうすんの」

 こいつは心が読めるのか。もしかすると超能力者か。でもそう考えると、今までのことが当てはまる。しかしそれではどんなことでも超能力者といえばいい話だ。それに超能力者なんているはずがない。結局は何かタネがあるはずだ。神から与えられたような特別な力なんてあるはずがない。昔はそんな神ががり的な力を持つ人間はいたそうだが、実際に見たという人は現在にはいない。聖徳太子は実はいないというような説と同じで、本当はいなかったかもしれない。ミイラに残って今もあると言う人も、実際にその人が功績残したというのは分からない。まったく違う人をそうだと言っている可能性がある。

 そう考えて、とりあえず超能力者はいないという結論に至った。

「多分、去年と同じだな。他のスポーツなんてできないし」

「じゃ、野球ね。ならミズキも同じでしょ」

「ああ。そうだな」

 球技大会の野球は男子限定で、十二人を一チームとしている。去年はまともにやっても勝てなかった。野球部が何人でも入っていいので、三年や二年のチームは強すぎた。俺たちは中学までやっていたが、今は足を洗って勉強に専念している。

「で、お前はどうするんだ」

「内緒」

 アズサは去年、バレーボールを選択していた。それなりに健闘して、それなりに勝ち進んだ。内緒と言っているが、多分今年もだろう。

「あー、球技大会が楽しみ」

「でも、その前にテスト、忘れんなよ」