「今日の朝さ、嫌なことがあって…気にしないで」
ウソだと俺の勘が脳に伝えた。昨日の電話、あの時のように暗かった。やはり何かを隠している。しかしその秘密とは、今の俺にはどうやっても知ることができないと思った。なぜならアズサの心は鉄の箱で包まれ、さらに何重もの頑強な鎖で縛られていると思ったからだ。今からその鎖を解こうとしても、何十日、何ヶ月、いや何年かかることか分からない。もしかしたら意外と早く解けるかもしれないが、それは雲をつかむ以上に確率が低いこと。しかし俺はどう考えても今の段階ではその心の鎖を解こうとは思わなかった。自分から解かすまで待つしかない。俺は気長に待つことに決めたのだった。
そしてその後、また沈黙が訪れ、食べ終えるまでは一切誰も口を開くことはなかった。いつも先陣を切って話し出すアズサが話さないとなれば、いつものペースを乱す。いうなれば俺たちはワンマンチームのような集団である。
最後の最後に口を開いたのは、ハンバーガーの紙を丸めていたミズキであった。その上その言葉は短く、単調に言うのであった。
「じゃ、行こうか」
ミズキの一言で、俺たちは昨日も入ったいつものカラオケ屋に向かっていた。相変わらずアズサは後ろで何も話さずに走り、俺たちはそのことを気遣ってなるべく明るい話をしようとしたが、まったくの皆無だと分かった。というよりも分かっていたが、やらずにいられないという変な正義感がむき出しになったのは間違いない。それにしてもアズサが行きたいと言ったカラオケ屋に向かっているはずなのに、元気がないのはどうしたことだろうか。そんなことを気にしながら、俺はなぜか一人心を痛める思いでいた。
「やっと、着いたな」
その言葉にはずっしりと重い意味がこめられていた。確かに長かった。ここまで来るのにいつもより長い時間をかけて来たような気がした。
店に入り、カウンターで部屋を決め、そしてボックスに入った。
ウソだと俺の勘が脳に伝えた。昨日の電話、あの時のように暗かった。やはり何かを隠している。しかしその秘密とは、今の俺にはどうやっても知ることができないと思った。なぜならアズサの心は鉄の箱で包まれ、さらに何重もの頑強な鎖で縛られていると思ったからだ。今からその鎖を解こうとしても、何十日、何ヶ月、いや何年かかることか分からない。もしかしたら意外と早く解けるかもしれないが、それは雲をつかむ以上に確率が低いこと。しかし俺はどう考えても今の段階ではその心の鎖を解こうとは思わなかった。自分から解かすまで待つしかない。俺は気長に待つことに決めたのだった。
そしてその後、また沈黙が訪れ、食べ終えるまでは一切誰も口を開くことはなかった。いつも先陣を切って話し出すアズサが話さないとなれば、いつものペースを乱す。いうなれば俺たちはワンマンチームのような集団である。
最後の最後に口を開いたのは、ハンバーガーの紙を丸めていたミズキであった。その上その言葉は短く、単調に言うのであった。
「じゃ、行こうか」
ミズキの一言で、俺たちは昨日も入ったいつものカラオケ屋に向かっていた。相変わらずアズサは後ろで何も話さずに走り、俺たちはそのことを気遣ってなるべく明るい話をしようとしたが、まったくの皆無だと分かった。というよりも分かっていたが、やらずにいられないという変な正義感がむき出しになったのは間違いない。それにしてもアズサが行きたいと言ったカラオケ屋に向かっているはずなのに、元気がないのはどうしたことだろうか。そんなことを気にしながら、俺はなぜか一人心を痛める思いでいた。
「やっと、着いたな」
その言葉にはずっしりと重い意味がこめられていた。確かに長かった。ここまで来るのにいつもより長い時間をかけて来たような気がした。
店に入り、カウンターで部屋を決め、そしてボックスに入った。



