そういえば、アズサの身長は少しであるが、伸びている。去年と比べると一、二センチは伸びているだろう。そろそろ一七〇センチになる。俺はそれをすでに越して入るが、もう成長は止まっている。ミズキも同じく、俺と同じくらいで、成長は止まっている。残るはアズサだけであった。
そしてアズサは突然、よしと声を上げた。どうやら何をやるか決めたらしい。
「カラオケに行こう。ほら、諸君、立つのだ」
「はいはい、やれやれ、と」
勝手に先導するアズサに、嫌だなと思ったり、飽きたりはしなかった。昔からの付き合い、女子であるから、それが当たり前になっているから、すべてをひっくるめて、不思議とついていきたくなる。昔から魅力があり、人を惹きつける。アズサの笑みにはそういう効果があるようだ。今までにこうやって何度もあっちへこっちへと振り回されている。そんな時はいつだって笑顔を振りまいて、周りを自分のものにしてしまう。空気をすべて自分の得意なものにしてしまう。
俺は時々、その時のアズサを少し憧れの目で見てしまう。そういうところを見習いたいと、自分でも思っていた。リーダーになりたいのではないが、もしそういうことができるなら、さぞその場に自分がいやすくなるだろう。
そして俺たちは自転車にまたがり、ペダルに足をかけた。
「今日はどこのカラオケに行くんですか、お嬢様」
「いつものところ」
アズサを先頭に、俺たちはいつものカラオケ屋に向かった。
そしてアズサは突然、よしと声を上げた。どうやら何をやるか決めたらしい。
「カラオケに行こう。ほら、諸君、立つのだ」
「はいはい、やれやれ、と」
勝手に先導するアズサに、嫌だなと思ったり、飽きたりはしなかった。昔からの付き合い、女子であるから、それが当たり前になっているから、すべてをひっくるめて、不思議とついていきたくなる。昔から魅力があり、人を惹きつける。アズサの笑みにはそういう効果があるようだ。今までにこうやって何度もあっちへこっちへと振り回されている。そんな時はいつだって笑顔を振りまいて、周りを自分のものにしてしまう。空気をすべて自分の得意なものにしてしまう。
俺は時々、その時のアズサを少し憧れの目で見てしまう。そういうところを見習いたいと、自分でも思っていた。リーダーになりたいのではないが、もしそういうことができるなら、さぞその場に自分がいやすくなるだろう。
そして俺たちは自転車にまたがり、ペダルに足をかけた。
「今日はどこのカラオケに行くんですか、お嬢様」
「いつものところ」
アズサを先頭に、俺たちはいつものカラオケ屋に向かった。



