いつもどおりの変わらない生活がここにある。俺はこんなつまらない、退屈な人生がいつまでも続けばいいと思っていた。俺の経験から、変わらないというのが一番いいことだと思っている。このまま自分の思惑通り、ことが進めばいいと思っている。しかしそれはその時の俺であった。
学校が終わり、俺とミズキは先に土手で寝転がって待っていた。アズサは自転車のカギを教室に忘れたから先に行ってて、と言い残していた。
待っていたほうが良かったかと、ここに着いてから考えたが、朝とは打って変わって青空がどこまでも広がっているそれを見ていると、そんなことを考えなくなり、無心になってしまう。大きく深呼吸すると、新鮮な空気が肺にどっと流れ込んでくるようで、身体に染み込み渡っていく。
あー、時間よ止まれ、と思う瞬間であった。
どこまでも続く道のように、空はどこまでも伸びる。道路の水溜りのように、雲が点々とある。どこまで空は続くのか、一度歩いて旅をしてみたいものだ。一人旅がいいかな。
俺はそんな妄想を膨らましていった。
そして土手の上で、自転車のブレーキ音が聞こえた。
「なんで置いていくのさ」
アズサは土手を滑り降り、俺とミズキの間に入った。
「何言ってんだ。お前が先に行けって言ったんだぞ」
「なーに言ってんの。待ってくれると思って、ちょっと期待してたのさ」
アズサは目をつぶって、大きく深呼吸をした。
「やっぱりここは、気持ちいいね」
腕を精一杯伸ばし、小さくうめき声を上げた。
「さて諸君、今日はどうしようか」
「何でもいいんじゃないか。好きなやつで」
ミズキは空を眺め、微笑みながら言った。
「じゃあ、何しようか」
俺はアズサの横顔を見た。別にアズサを見たかったからではないが、ただそっちを見たかったからであった。そしてその時、たまたまアズサが視界に入ってきたのだ。
学校が終わり、俺とミズキは先に土手で寝転がって待っていた。アズサは自転車のカギを教室に忘れたから先に行ってて、と言い残していた。
待っていたほうが良かったかと、ここに着いてから考えたが、朝とは打って変わって青空がどこまでも広がっているそれを見ていると、そんなことを考えなくなり、無心になってしまう。大きく深呼吸すると、新鮮な空気が肺にどっと流れ込んでくるようで、身体に染み込み渡っていく。
あー、時間よ止まれ、と思う瞬間であった。
どこまでも続く道のように、空はどこまでも伸びる。道路の水溜りのように、雲が点々とある。どこまで空は続くのか、一度歩いて旅をしてみたいものだ。一人旅がいいかな。
俺はそんな妄想を膨らましていった。
そして土手の上で、自転車のブレーキ音が聞こえた。
「なんで置いていくのさ」
アズサは土手を滑り降り、俺とミズキの間に入った。
「何言ってんだ。お前が先に行けって言ったんだぞ」
「なーに言ってんの。待ってくれると思って、ちょっと期待してたのさ」
アズサは目をつぶって、大きく深呼吸をした。
「やっぱりここは、気持ちいいね」
腕を精一杯伸ばし、小さくうめき声を上げた。
「さて諸君、今日はどうしようか」
「何でもいいんじゃないか。好きなやつで」
ミズキは空を眺め、微笑みながら言った。
「じゃあ、何しようか」
俺はアズサの横顔を見た。別にアズサを見たかったからではないが、ただそっちを見たかったからであった。そしてその時、たまたまアズサが視界に入ってきたのだ。



