「払えない、とでも言うつもり?払えないなら払えないでどうにかして手に入れなさいよ!!…ほんっと、言われないとわかんないんだから」


「っ、ごめんなさ…」


パシン、と乾いた音。


痛み出す右頬。


たた、かれた…


「何してるの?!さっさと行きなさいよ!!」


私はその言葉に押されるように走って家を出た。


「うっ、ひっく…」


早く、早く買って帰らなきゃ。


ううん、盗って帰らなきゃ。早く。


じゃないと、また打たれる。


ここからスーパーは遠くない。


足には自信、ある。


それに、今日が初めてじゃない。