目立つケバゲハ女共は
校門で俺を待っていたからなのか
教室の中はとても静かだった。
俺はそっと自分の席へ行き
親友でもある、長崎 綾へ声をかけた。
「綾、はよ」
「春陽おはよぅす」
実は実は、俺のクラスには
美蘭もいたりするんだぜ。
美蘭は本を読んでるみてぇだな。
綾と話はしてるけど
「うん」とか「だな」とか相鎚を打つ程度。
目はずっと美蘭を見てたみたいで…
「お前、とうとう学園一の美女を好きになったのか」
「うん。………はぁ⁉︎」
ボーっとしてたからうんとか言ったけどなんで綾にばれてんの⁉︎
「やっぱな。お前さっきからずっと美蘭ちゃん見てるぞ」
うそだろ。
「俺は応援するぜ」
ちょっと待って。
綾…。
お前そんなにいい奴だったのか…!
「…おい。心の声ダダ漏れだぞ」
「…てへぺろ」
「きめぇ」
そんなに言わんでも…。
でも、
「ありがとな、綾。
俺がんばってみるわ」
綾は声すら出さなかったものの
微笑んでくれたんだ。
それでこそ春陽だろって。
「今日の昼飯、一緒に食う約束してんだ。二人で」
「やるじゃねぇか。親睦を深めてこい」
「あぁ」
そして俺らは
チャイムが鳴るまで他愛もない話をした。

