携帯電話が動いていた。

そう、まるで早く取ってと言わんばかりに。

きっとこの携帯にはその背負ってる名前に対しての荷が重すぎるのだろう。

「西幸絵」

もう机に字が彫れそうだ。ほんとに苦しそう。
だけどな、だけどな、本当に苦しいのは僕なんだよ。

な、ななんで電話?

せめて!せめてメールだろ。

あぁもう!!