帰りの混み合う電車の中で僕は土田に会った。

「おいっ」
僕の声はなんとか人と人の間を縫って届いた。

「まぁ残念だったな」
にやけ顔の僕をちらりと横目で見た土田は一言、

「うるせ」

そのまま電車は次の駅に到着し、さらなるお客を迎えた。

もまれながらも人と人との間に消えていく土田はむしろ流れに身をまかせているようだ。


僕はこのあと起こることによってそれ以降、土田と四年間話すことが無くなる。


今思えばこの冴えない会話が最後のまともな会話だったのかもしれない。