僕は西の姿を既に視界に捉えていた。

放課後のがやがやした校内。

発射された赤甲羅のように確実に距離を詰めている。

僕の計画はまず西が土田に対して脈があるかという下調べだった。

こんな簡単なことをするだけなのに土田はすごく喜んでいた。

僕は一生の友達だそうだ。おめでとう。コングラチュレイション。

しかしあいつは大きな勘違いをしている。

こんな遠まわしに歩兵(僕)を使って探られることに好感を持つ女性がどこにいようか。

ここからが悪魔タレントだ。

僕はそれを彼女に遠まわしに伝える。

そして僕を彼女のなかで味方だと認識させるのだ。

土田・・・いい友達を持ったな。

しかしここで問題が発生した。