年が明けた。

あたりは受験のムード一色になっている。

ここにきてちょっとした変化があった。

土田と西が卒業アルバム製作実行委員に選ばれたのである。

土田は人望があったし、なにかと無駄に目立ちたがりだ。

土田自身はすごく張り切っていたが、奴以外は面倒な役職の厄介払いぐらいにしか思っていない。

しかし彼女が選ばれた理由がわからなかった。

自発的にも見えないし、お世辞でも友達が多くとは言えなさそうな彼女にみんなの思い出が作れるのか。

後になって話し合いの場がどうだったか聞いてみると彼女の喋った回数は一言二言程度だったらしい。どうやらその場にいた連中が彼女も厄介払い役にさせたようだ。