「おはようございます・・」

担任の斉藤先生が教室に入ってきた。

斉藤先生は国語の教師だ。ただ単に太った先生だが体だけではない大きな特徴がある。

彼は生徒と深く関わるのを激しく嫌っている。
いや嫌ってそうだ。予想だ。

だから真実かどうかもわからない。意思疎通ができず生徒との溝が深くなってしまっている先生はごまんといる。

常に淡々と喋り続け、自分のペースを崩さない彼から推測することは難しい。だから僕らは勝手なイメージをつける。

自己紹介しきれない彼らが悪い。

ある日、なぜか全くわからないが生徒が彼の車をひたすら殴っているのを僕は見たことがある。

それを目撃した彼は叫んだ。

「お前ら何やってる!こらあぁ!!!」

斉藤先生は大きな体を震わせ走った。

しかしもうそこには生徒の姿はなく、斉藤先生は出来上がったばかりのクレーターをただ見つめるしかなかった。

肩を大きく揺らしながら呼吸する姿は哀愁漂い、斉藤先生の全身は夕日によって真っ黒な影になっていた。

なんで教師になんてなったんだ。

悲痛な叫びが彼の背景に活字になって現れた。

その時ようやく僕は彼の人間的一面を見た気がしたのだ。