彼女と話した事は一度もない。

話をしてみたかったという思いは入学当初からあった。

なぜなら僕は彼女には内に秘めたる神秘さがあってならないような気がしていたからだ。

髪で作った不細工な団子はきっと美しくて長い黒髪になるだろう。

その眠たそうな大きな眼はあらゆる事に興味を無くしているようだ。

しかし彼女の黒眼を職人が丹精こめて叩くことによって、世にも素晴らしい宝石ができあがるだろう。僕にはそんな確信があった。