「此処から現れたなら、確定だな。」
「……そろそろだ。」
時計を見ながら、ヴォルフラムは屋敷を見る。
すると、昨晩の男が出てきた。
隣にはシエリアも居る。
「シエン!」
クラウジアは飛び出す。
「おい、向かっても昨日の二の舞だぞ。」
ヴォルフラムが言った時は遅かった。
「……おや。」
男は笑った。
「シエリア。」
そう呼ぶと、シエリアは虚ろな目で進み出る。
光がガラス細工に乱反射して、どこか幻想的な姿だ。
心なしか、成長したように見える。
それは、暫くあっていないせいだろうか。
「わたしが、もうすぐおわらせる。きたないせかいも、きれいなせかいも。」
そう言った気がした。
クラウジアにシエリアが触れる前にヴォルフラムが爪でシエリアを突き刺す。
「フラン!何を……」
ヴォルフラムを愛称で呼び、クラウジアは目を見開く。
「ははっ……」
シエリアは妖艶に笑い、ヴォルフラムの腕を掴む。
桃色の光はヴォルフラムも包みこむ。
「!!」
突き放したものの、体力を吸収され、疲弊する。
「厄介だ。」
忌々しく言う。
「折角の綺麗な飾りが壊れてしまったね。後で新しいのをあげよう。」
「うん。そうだね。」
シエリアは機械的な声音で言う。
光は強くなり、姿が変わった。
「じゃま、しないで。」
姿が変わり、大人の女性のようになったシエリアは笑う。
「いきましょう。」
そう言って歩き出す。
「駄目だ。」
クラウジアは立ちはだかる。
「これ以上、殺したくない筈だ。何故、こんなことをする!!」
「……いけにえは、ひつようなのよ。」
そう言うと、ヴォルフラムはシエリアを睨む。
「何の為だ。いくら殺したところで、思い通りにならない。争いは無くならない。」
憎むように言った。
「いまさら、いいこのつもり?」
シエリアはにっこりと嫌に無邪気な笑顔を見せる。
「くるったおにがやってくる。」
そう言って笑った。
「おにさんこちら♪てのなるほうへ!」
きゃっきゃと笑って天を仰ぐ。
「……もうすぐよ。」
そう呟いた時、シエリアの身体が強く光を放った。
「これで、さいご。」
そう言うと、光が弾け、大地は緑に包まれた。
植物が生い茂り、花が咲き乱れる。
桃源郷のような世界が広がっていく。
「は、ははは……!」
男は笑う。
「これが、我々が目指す美しい世界!」
そう言うと、満足そうにした。
「もっとだ!」
「……そろそろだ。」
時計を見ながら、ヴォルフラムは屋敷を見る。
すると、昨晩の男が出てきた。
隣にはシエリアも居る。
「シエン!」
クラウジアは飛び出す。
「おい、向かっても昨日の二の舞だぞ。」
ヴォルフラムが言った時は遅かった。
「……おや。」
男は笑った。
「シエリア。」
そう呼ぶと、シエリアは虚ろな目で進み出る。
光がガラス細工に乱反射して、どこか幻想的な姿だ。
心なしか、成長したように見える。
それは、暫くあっていないせいだろうか。
「わたしが、もうすぐおわらせる。きたないせかいも、きれいなせかいも。」
そう言った気がした。
クラウジアにシエリアが触れる前にヴォルフラムが爪でシエリアを突き刺す。
「フラン!何を……」
ヴォルフラムを愛称で呼び、クラウジアは目を見開く。
「ははっ……」
シエリアは妖艶に笑い、ヴォルフラムの腕を掴む。
桃色の光はヴォルフラムも包みこむ。
「!!」
突き放したものの、体力を吸収され、疲弊する。
「厄介だ。」
忌々しく言う。
「折角の綺麗な飾りが壊れてしまったね。後で新しいのをあげよう。」
「うん。そうだね。」
シエリアは機械的な声音で言う。
光は強くなり、姿が変わった。
「じゃま、しないで。」
姿が変わり、大人の女性のようになったシエリアは笑う。
「いきましょう。」
そう言って歩き出す。
「駄目だ。」
クラウジアは立ちはだかる。
「これ以上、殺したくない筈だ。何故、こんなことをする!!」
「……いけにえは、ひつようなのよ。」
そう言うと、ヴォルフラムはシエリアを睨む。
「何の為だ。いくら殺したところで、思い通りにならない。争いは無くならない。」
憎むように言った。
「いまさら、いいこのつもり?」
シエリアはにっこりと嫌に無邪気な笑顔を見せる。
「くるったおにがやってくる。」
そう言って笑った。
「おにさんこちら♪てのなるほうへ!」
きゃっきゃと笑って天を仰ぐ。
「……もうすぐよ。」
そう呟いた時、シエリアの身体が強く光を放った。
「これで、さいご。」
そう言うと、光が弾け、大地は緑に包まれた。
植物が生い茂り、花が咲き乱れる。
桃源郷のような世界が広がっていく。
「は、ははは……!」
男は笑う。
「これが、我々が目指す美しい世界!」
そう言うと、満足そうにした。
「もっとだ!」


