校舎に咲く桜。
ふと見上げて立ち止まる。
春の桜を見て人をなにを思うだろう。
綺麗?そんなことは私はおもわない。
それならば女性を見てるほうが
綺麗だと感じることは多いだろう。
ドンッ
後ろを歩いていた男にぶつかった。
「おい、止まるなよ危ないだろ」
ああ悪いと言い私は歩き始める。
山村光輝。彼は自分自身の
平凡な人生に満足していた。
まあまあな容姿にも恵まれ
まあまあな運動神経を持ち
県内でもまあまあな高校に入学し
これからも平凡な人生を送るつもりであった。
入学式 校長のお話は退屈だ。
これはお決まりなのであろう。
「光輝部活なに入るつもりなん??」
話かけて来たのは小学校、中学校だけでなく
高校まで一緒に進学してしまった出口 隆であった。
「あーおれ迷ってるねん。出口は?」
と嘘をついた。
本当は陸上部に興味が合ったが
こいつと部活まで一緒になるのは
正直、勘弁だと思ったからだ。
別に嫌いなわけではない。
しかし新しい友達を作るには
新しい境地に行くことが
とても大事なのは誰もが知っているだろう。
「野球部かなおれは。栗原は陸上部らしいで?」
栗原と呼ばれる男は
中学で同じ野球部で汗を流した
イケメン野郎である。
球も早いが女への手も早い。
「あいつ野球部引退してから陸上部で鍛えてたけど、そっちに興味湧いたんだ」
。
