冷たいアイツ

「渉ってさ。人前だと無愛想だよな」

「だよな~。素直に笑えば可愛いのにな」


カズとシュウちゃんが、あたしの席で
自己紹介の感想を述べる。


「だって…緊張しちゃうと
 うまく喋れないし……」


「うそだ…」


カズが呟いた。

うそじゃ無いっつうの!!
ってかそれは
もっと愛想よくしろってことだろ??
無理無理!!



うち等が三人で話していると、
一人の男が来た。


「俺も入れてよ」


奈良井ヒダ。珍しい名前…。

「お前誰??」


「「渉!!」」


カズとシュウちゃんに怒られた…。

「わざとじゃねぇし」


だめだぁ、緊張する。
見ず知らずの人って、緊張して
話せない!!!!


「わりぃな、こいつ人見知り激しくてさ」


ヒダは、いいよ。って言って、
話に入った。


どうやら、こいつも野球好きらしい。
カズと意気が合ってる。


「渉もヒダと話せば??」



無理…。絶対無理…!!

あたしは、小さい声でシュウちゃんに言った。


「ヒダ、話しかけてやってよ」


もぅ呼び捨てだし…。
男子って早いな~。

「渉君??」


あたしとカズとシュウちゃんは顔を見合わせて
すごい笑った。

「「あははははは!!」」

「何かおかしなこと言った??俺」


言った!!いいましたとも!!