冷たいアイツ

「席についてくださ~い!!」


一時間目は国語だった。

背の高い女の先生が入ってきた。
もぅおばさんだけど。


「今日はオリエンテーションをやります」


そんなことはみんな知ってるし。
大体、予定黒板に書いてあんじゃん。


あたしは、ボーっと外を眺めていた。
また、「ベランダに出たいなぁ」とか
「雲動いてる」とか。思ってた。


ちょっとは話でも聞くか。
そう思って目前を向いた。


その時に、教科担任の口から出た言葉は
これだった。

「それでは、これから自己紹介をします」



はぁぁ!?!?

最悪だ。




「青柳未乃です。国語では…」


順調に進んでいく自己紹介。

とりあえず顔を覚えようと、
今自己紹介している人の顔を見た。


「小平武です。よろしくお願いします」


声小っちゃ!!

でも、このときからだったのかも。

タケを気になり始めたのは。


自分と同じオーラを放っていて、
この人だって思った。

絶対仲良くなる!!
変な決意を胸に抱いた。



なんて決意してるうちに、
あたしの順番が来た。


「あー…奈多平渉です。よろしく」


それだけ言って、座った。
それでも、順調に進んでいく自己紹介。


適当だな~・・・。