ビターな彼氏の甘い誘惑


奥の席でサンドイッチを食べながら、
真剣にパソコンに向かっている
綾菜さんに、「ランチ行きますねー」
なんて、声をかけたら、
にっこり笑って、二人に手を振ってくれた。


香川君は、ますますニコニコしながら、
手を振りかえした。


わかりやすいなぁ。香川君。


裏口から外に出ようと、
ふと、
一階にある営業部で、
一瞬、足が止まる。


いや、なに?
いつも通っていた道じゃない。

べつにっ。

とか言いつつ
おもわず、
営業部をちらりと見る。


「あれ?」
思わず、声がでちゃった。


「どうした?利理。」

「んっ。おなかすいたから、早くいこっ。」

なんでもないふりをして、
足早に、
通り過ぎた。


だって、彼の席には、誰もいなくて。
ホワイトボードに

「出張」って書いてあった。