ビターな彼氏の甘い誘惑


「高梨さん。加藤さん。楽しそうだね?」

ふいに、優しく声をかけられる。


「ぶっ。部長っ。」

あせって、
私と、綾菜さんの声がひっくりかえっちゃう。

相変わらずの、
にこにこ笑顔で
話しかけてくれながら、
私の手から、
今日届いた封書を受け取って

「ありがとう。」

と、またにっこり。

うん。やっぱり
優しそうで、いい男なんだよねぇ。


「高梨さん。コーヒーお願いできる?」

「あ。はい。」

「悪いんだけどーー」

「ふふ。砂糖、一つ。ですよね?」

にこやかに綾菜さんが笑った。

ほら、
部長もぜったい 綾菜さんに『コーヒー入れてくれる?』って頼むの。
で、
綾菜さんも わざわざ、砂糖の二個入りのキューブを一つだけ
開けて添えるの。

誰も
気が付いていないと思うんだけど、
きっと 相性いいんじゃないかなぁ・・・なんて。