「びっくりって・・・
 なんだ。
 お前も、オレが笑わない冷血な男だと思ってるのか?」

また、楽しそうにクスクス笑った。

お前もって・・・
他にも誰かに言われたんだろうか・・・

私はとりあえず
頭を下げる。
「すいません・・・」

「オレだって生きてるし
 人間だから、笑いもする。」

呉羽部長はすっと車から降りた。
静かに運転席の扉が閉まる。


あ。
今日のスーツ、似合ってる。
紺の生地に淡いグレーのストライプ。
きっと高いんだろうな。

彼の手足の長さもあるだろうけど、
スーツの着こなしで、
品の良さが伝わってくる。