ケンちゃんなりの
優しさだったと思いたい。

私をきっぱり振るための。



「だって、利理と体の相性はいいじゃん?
 あんなにエロい体だし。」

あっけらかんと、
悪びれもなくケンちゃんはじろじろと
私の体を見る。


「セフレだったら、
 束縛せずに、楽しめるじゃん?」
あはは。


次々に浴びせられる
身勝手な言葉。


悲しいのか、悔しいのか、
ソレとも、
まだ、ケンちゃんとつながっていたいのか

自分の気持ちに困惑しちゃう。


どんな表情をしていたかわからないけど、

ケンちゃんは、
言うだけ言って、
「じゃぁ、
 シたくなったら、連絡して。」

と、にやりと笑って、
仕事用のトラックに乗って、
去って行った。

去り際に、
軽く手を振って。