「あのっ。だからっ。」
「うん?」


「自分で、洗えますからっ。」
「そりゃそうだろ。」

「だ、か、らっ。はずか・・しぃのでっ。」
「まぁ、そうだろうね?」

わざとだからね。


はい、浴室です。
入るなり、浴槽にお湯をためる間に
シャワーをかけて
洗いっこ。ってやつですね。

まぁ、とりあえずライトはつけっぱなしだし。
ほら、真っ暗だと危ないからね?

利理はとりあえず、『恥ずかしいから自分で体を洗いたい』と。

いやいや、
俺はその
恥ずかしがる利理を見たいんだけど。

何言ってるんだ。

にっこりと泡を 手に付けて 微笑んでやると
利理は複雑そうに笑った。

「あの。ほんと、
 せ、背中だけで・・・」
「うん。いいよ。
 触れていたいだけだし。」

耳元でささやく。

プロじゃないんだから女性の 髪の毛とか洗える気がしないし。

湯船から、正直あんまり好きじゃない花の香りが漂う。
さっき入れた入浴剤かな?
あまったるい、そんな香り。

ま、利理が楽しそうだからいいか。

後で湯船で後ろから抱きつこうか、あぁ、でも前で抱きしめるのもいいな

・・・・我慢できるかな。


そんなことを思いながら
シャワーで
泡を洗い流した。