そしたら、部長がちょっと
微妙に眉をひそめて
「え?なんか、残業させちゃってた?」
って気にしちゃった。
「大丈夫ですよぉ。
ちょっとした書類の打ち直しです。
すぐ来ると思います。
っていうかぁ、部長が声かけて笑顔を
振りまいてくれたらぁ、
疲れなんて吹っ飛びますよ?」
「ふふ。なにそれ?」
また、海人部長はふんわりと 笑った。
周りの女子たちが
「そうですよぉ。部長の笑顔っていやされますー」
なんて言い始めたから
ちょっと
笑いそうになっちゃった。
でも、
海人部長の笑顔って不思議、
ふんわりとして、こっちもなごんじゃう。
そんな 素敵な才能 って感じかなぁ?
「利理ちゃん、ほれ
お前の好きなタコ。」
「牧瀬さん!」
差し出された皿を受け取けとりながら、
軽く会釈をしてから
牧瀬さんの近くに座る。
「ありがとうございますぅ。」
「で?利理ちゃんの今度の恋の相手は部長なの?」
「・・・・・・・は?」
「ぶ。ちょっと、利理ちゃん??」
え?なに?
「眉間にしわ寄せすぎ。」
「え?顔に出てました?」
だって、
一瞬 どの「部長」か解らなくて。

