ビターな彼氏の甘い誘惑


彼女は、ぎゅーーっと手に持ってたポーチを握りしめた。
「・・・あのっ。
 はい、その、付き合ってるの・・?」
「ないですよぉ。
 食事も、二人っきりはないですよー。
 寝てない・・・っていうか、
 どぉして、
 私に聞くんですかぁ?」

津川さんに聞けばいいのに。

「え?でも、その。」


うぅっと目に涙をうっすらためて
じぃっと見つめられた。

えぇぇーー、
ほんと、
香川君とだったら
同期だし、よく食事二人でしてるし、『付き合ってるんですか?』
とか、聞かれちゃうのはわかる。


なんで?
なんで津川さん?

たしかに、
食事とか、飲み会とか何度か誘われているけど
一度も行ったことないし、
疑われる要素なんてないと思うんだけど・・・。

一瞬
不機嫌にしかめっ面する
呉羽部長が よぎる。


・・・ってか、
津川さんに
呉羽部長と 張り合う気はないと思うし、


ちょっと、
顔が赤くなる。