呉羽部長は、
すっと、起き上がって
破れたスーツを見て、
私の手の中にある腕の部分を見て、


「ぷっ。あはっはははは。」

大爆笑した。


お・・・
怒らないの??

私は恐る恐る
呉羽部長を見上げる。


「はーー。
 面白い。
 スーツってこんなに簡単に破れるもん??」

私も同じこと思ってた!

呉羽部長は
笑いながら、楽しそうに破れたスーツを見る。


「あの・・・」

「なに??」

呉羽部長が
ニコリと笑いながらこちらに振り向く。


「すいませんでした。」

そっと腕の部分を返す。

きっと、
高いスーツなんだろうな。

私の給料では弁償は痛いなぁ。